子どもがお金を数えにくいのはなぜ?硬貨の枚数と金額のつまずきを解説

「物の数は数えられるのに、お金になると間違えてしまう」「何度教えても、硬貨が混ざると分からなくなる」。そんな様子を見ると、どのように教え直せばよいのか迷うことがあります。

けれども、お金が数えにくいからといって、数そのものが分かっていないとは限りません。お金を数えるときには、硬貨を見分ける、1枚の金額を思い出す、複数枚の金額を合わせるなど、いくつものことを同時に考えるからです。

この記事では、子どもがどこでつまずいているのかを見分け、理解できている段階から練習し直す方法を紹介します。

お金の教え方を最初の段階から知りたい方は、別記事「幼児へのお金の教え方|お買い物ごっこから始める5つのステップ」もあわせてご覧ください。

目次

まずは、どこで止まっているかを確かめる

「お金が数えられない」といっても、つまずいている場所は一つではありません。まずは、次のうち、どこまでできるかを一つずつ確かめてみましょう。

  • 「10円玉はどれ?」と聞かれて選べる
  • 10円玉を1枚、2枚、3枚と増やし、10円、20円、30円と数えられる
  • 1円玉・10円玉・100円玉が混ざっていても、種類ごとに分けられる
  • 214円を、100円玉2枚・10円玉1枚・1円玉4枚で表せる
  • 50円玉1枚と10円玉5枚が同じ金額だと分かる

最初の項目で迷うなら、合計金額を求める前に硬貨を見分ける練習が必要です。どの項目で迷うかが、練習を始める目安になります。

つまずき1 硬貨の枚数と金額を同じものとして数えている

物を「1、2、3」と数えるときは、1個増えるたびに数も1ずつ増えます。しかし、硬貨は3枚あっても、必ず3円になるわけではありません。

1円玉が3枚なら3円ですが、10円玉が3枚なら30円、100円玉が3枚なら300円です。お金では、「何枚あるか」と「全部で何円か」を分けて考える必要があります。

「何枚ある?」と「全部で何円?」を一度に尋ねると、子どもが何を答えればよいのか分からなくなることがあります。最初は質問を一つずつ分け、答えも「3枚」「30円」のように単位まで確認すると、違いが見えやすくなります。

つまずき2 同じ金額を違う硬貨で表せることが分からない

お金では、枚数が違っても同じ金額になることがあります。たとえば、50円玉1枚と10円玉5枚は、枚数は違いますが、金額はどちらも50円です。

枚数だけを見て「多い・少ない」を判断している段階では、10円玉5枚のほうが50円玉1枚より大きな金額に見えることがあります。

このつまずきには、実際に2つの組み合わせを横に並べ、「こちらはいくら?」「こちらはいくら?」と別々に確かめてから比べる方法が向いています。最初から「同じ金額だよ」と答えを伝えるのではなく、両方とも50円になることを子ども自身が確かめられるようにします。

子どもが両替をわかりやすくする練習シート
子どもがお金の位について理解しやすくするシート

つまずき3 2桁・3桁の金額をひとかたまりで捉えている

214円のような金額をひと続きの数字として捉えていると、どの硬貨を何枚使えばよいのか分からなくなることがあります。

この場合は、百の位・十の位・一の位に分けます。214円なら、百の位が2、十の位が1、一の位が4です。それぞれを硬貨に対応させると、100円玉2枚・10円玉1枚・1円玉4枚で表せます。

これは、できるだけ少ない枚数で支払う練習ではありません。まずは位取りと硬貨の関係を、目で見える形にするための練習です。

つまずき4 5円・50円・500円が入ると整理できない

1円玉・10円玉・100円玉だけなら、214円を100円玉2枚・10円玉1枚・1円玉4枚のように、各位の数字と硬貨の枚数を対応させて表せます。ところが、5円玉・50円玉・500円玉が加わると、各位の数字と硬貨の枚数がそのまま一致しない組み合わせも出てきます。

たとえば、50円は50円玉1枚でも、10円玉5枚でも作れます。さらに、50円玉と10円玉が混ざった金額を数えるには、それぞれの硬貨が表す金額を思い出しながら合計しなければなりません。

ここで迷う場合は、まだすべての硬貨を混ぜる段階ではないのかもしれません。一度1円玉・10円玉・100円玉だけに戻り、位ごとの金額づくりを確かめてから、5円玉・50円玉・500円玉を1種類ずつ加えます。

つまずきに合わせて、練習を一つずつ分ける

一度の活動で、硬貨の見分け、金額づくり、両替、合計まで行う必要はありません。つまずいている場所に合わせて、課題を一つに絞ります。

  • 硬貨を見分けにくい場合:1種類ずつ名前と金額を確認し、次に2種類を見比べる
  • 同じ硬貨の合計で迷う場合:10円玉だけなど、1種類の硬貨を増やしながら数える
  • 硬貨が混ざると迷う場合:種類ごとに分けてから、それぞれの金額を数える
  • 2桁・3桁で迷う場合:百・十・一の枠を作り、位ごとに硬貨を置く
  • 両替で迷う場合:50円玉1枚と10円玉5枚など、同じ金額を2通りだけで比べる

「できない問題を繰り返す」のではなく、最後にできた段階まで戻ることがポイントです。扱う硬貨や情報を減らすことで、子どもが自分で気づける部分が見つかりやすくなります。

実物の硬貨を使うときの注意

硬貨は小さく、口に入れると誤飲のおそれがあります。実物の硬貨を使う活動は必ず大人がそばで見守り、活動後は子どもの手の届かない場所へ片づけてください。口に物を入れることがある場合は、実物の硬貨を使わず、硬貨の絵カードなどで代用します。

つまずきを目で確かめられる「おつかいでお金のおけいこ」

「おつかいでお金のおけいこ」は、商品カードの価格を見ながら硬貨を並べたり、財布にある金額で買える商品を選んだりして、硬貨と金額の関係を手を動かしながら確かめる教材です。

ラミネート加工済みのA4用紙6枚に、商品カードや財布カードなどが収められています。使う前に、ハサミやカッターで切り取ってください。実物の硬貨は付属していないため、硬貨を使う活動では、ご家庭にある硬貨を大人の見守りのもとで組み合わせます。

プリント学習とは違って手を動かしながら学ぶ具体物教材です。
「おつかいでお金のおけいこ」を見る

まとめ

子どもがお金を数えにくいときは、「お金が分からない」とひとまとめにせず、どの段階で止まっているかを確かめることが大切です。

  • 硬貨の種類と1枚の金額を結びつけられているか
  • 枚数と金額を分けて考えられているか
  • 2桁・3桁の金額を位ごとに分けられるか
  • 同じ金額を違う硬貨で表せることが分かるか
  • 5円・50円・500円を加えたときに迷っていないか

つまずいている一歩手前まで戻り、実際に硬貨を並べて目で確かめることで、次に練習することが見えやすくなります。

子どもがお金を数えにくいのはなぜか

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