子どものハサミは、2〜3歳頃から使い始めることがあります。ただし、「2歳になったから始める」「3歳なら使える」と、年齢だけで決める必要はありません。
ハサミに興味を持っているか、安全に使うための簡単な約束を守れそうか、手を開いたり閉じたりする動きができるかなど、子どもの様子も一緒に見て始める時期を考えます。
まだ難しそうな場合も、ハサミを持たずにできる準備があります。
この記事では、ハサミを始める時期の考え方から、始める前に確認したいこと、最初の「一回切り」までを順番に紹介します。


子どものハサミは何歳から?
幼児向けのハサミ教材には2歳頃から取り組めるものもあり、2〜3歳頃はハサミを使い始めるひとつの目安になります。
ただ、同じ年齢でも手指の動きや道具への興味、安全のための約束への理解などには違いがあります。
そのため、年齢はあくまで目安として考え、
- ハサミを使いたがっているか
- 安全のための約束を聞いて使えそうか
- 手を開く・閉じる動きができるか
といった様子も確認してみましょう。
「何歳になったか」だけでなく、「今、どこまでできるか」を見ると、始める時期を判断しやすくなります。
ハサミを始める前に確認したい3つのこと
1.ハサミに興味を持っている
大人がハサミを使っているところを見て自分も使いたがる、工作をしているとハサミに手を伸ばすなど、子ども自身に「やってみたい」という様子が見られたら、始めるきっかけのひとつです。
まだ興味がない場合は、年齢だけを理由に急いで練習を始めなくてもかまいません。
ハサミは、手を開閉しながら紙の位置も見て使う道具です。初めての子どもにとっては、いくつもの動きを組み合わせる必要があります。
興味が出てきた時期に、簡単な動きから少しずつ経験していきます。
2.安全に使うための約束を守れそう
ハサミを使い始めるときには、切る動作だけでなく、安全に道具を扱えるかどうかも大切です。
たとえば、
- 座って使う
- ハサミを人に向けない
- 持ったまま歩かない
- 使い終わったら決めた場所に置く
といった約束を、大人と一緒に確認します。
最初から子どもだけで使わせるのではなく、大人がそばで見守りながら使います。
約束を聞くことがまだ難しい、ハサミを持つと振り回してしまうなど、安全に使うことが難しそうな場合は、無理に始めず少し待ちましょう。
3.手をゆっくり開いたり閉じたりできる
ハサミを使うためには、
「開く → 閉じる → また開く」
という手の動きが必要です。
そこで、ハサミを持つ前に「グー、パー」をしてみます。
このとき、速くできることが大切なのではありません。
大人が「グー」「パー」とゆっくり声をかけ、その声に合わせて手を開いたり閉じたりしてみます。
ハサミを使い始めたばかりのころは、勢いよく刃を最後まで閉じたり、開閉が速くなったりすることがあります。
ゆっくり手を動かす経験は、これからハサミの開閉を覚えていくための準備になります。
グーパーが難しいときは、まだハサミを使わないほうがいい?
グーパーがうまくできないからといって、「まだハサミは使えない」とすぐに判断する必要はありません。
まずはハサミを持たず、手だけで開く・閉じる動きを経験してみましょう。
大人の「グー、パー」という声に合わせたり、速く動かすのではなくゆっくり動かしたりします。
ハサミそのものを何度も使わせなくても、始める前に練習できることがあります。
できていない動作があるときは、その動作だけを取り出して経験する。
ハサミの練習でも、このように一つずつ段階を分けると、子どもが何をすればよいのか分かりやすくなります。
最初は「一回切り」から始める
ハサミを使い始めるとき、最初から長い線に沿って切る必要はありません。
まずは、細長い紙を一回の開閉で切る「一回切り」から始めます。
ハサミを開く。
紙を刃の間に入れる。
ハサミを閉じて、「チョキン」と切る。
まずは、この一連の動きを経験します。
一回切りであれば、ハサミを何度も開閉しながら紙を動かす必要がありません。
「ハサミを開いて、紙をはさんで、閉じると切れる」という基本的な動きを確認しやすくなります。
一回切りができたら、少しずつ次の段階へ
一回切りができるようになったら、すぐに複雑な形を切るのではなく、少しずつ切る回数を増やしていきます。
たとえば、
一回切り
↓
二回、三回と続けて切る
↓
まっすぐな線を切る
↓
曲線を切る
↓
簡単な形を切る
というように進めることができます。
連続して切るようになると、ハサミを開閉するだけではなく、紙を持つ手との連携や、これから切る場所を見ることも必要になります。
一回切りと連続切りでは、子どもが行っていることが同じではありません。
一回切りができたからといって急いで難しい形へ進まず、次に必要になる動きを一つずつ経験していきましょう。
うまく切れないときは「何ができないか」を分けて見る
ハサミの練習を始めると、「うまく切れない」ということがあります。
そんなときは、単に「ハサミが苦手」と考えるのではなく、どの動きで止まっているのかを見てみます。
たとえば、
- ハサミを開くことが難しい
- 閉じるときに勢いがついてしまう
- 一度切ったあと、もう一度開くことが難しい
- 紙を持ちながら切ることが難しい
- 線を見ながらハサミを動かすことが難しい
など、同じ「切れない」でも難しいところはさまざまです。
できないことをまとめて練習するより、どの動きで困っているのかを見つけ、その部分を小さく分けて経験するほうが、次に何を練習すればよいか分かりやすくなります。

ハサミは年齢だけでなく「今できること」を見て始めよう
子どもがハサミを使い始める時期として、2〜3歳頃はひとつの目安になります。
ただし、始める時期を年齢だけで決める必要はありません。
ハサミに興味があるか、安全のための約束を聞けるか、手を開いたり閉じたりする動きができるか。
まずは、このような子どもの様子を見てみましょう。
まだ難しい動きがあれば、ハサミを持たずにその動きだけを経験することもできます。
そして実際にハサミを使い始めるときも、最初の目標は「線の上をきれいに切ること」ではありません。
まずは一回、「チョキン」と紙を切る。
そこから少しずつ切る回数を増やし、直線、曲線、形へと進んでいきます。
年齢に合わせて練習を進めるのではなく、今できることから次の一段へ。
ハサミの練習も、小さな段階に分けて進めていくことが大切です。

