幼児に春夏秋冬をどう教える?季節の違いが身につく家庭での伝え方

幼児に季節を教えるときは、最初から「春・夏・秋・冬」を覚えさせようとしなくても大丈夫です。

まずは、花が咲いた、セミの声が聞こえた、どんぐりを拾った、寒くなって上着を着るようになったなど、生活の中で季節の違いを感じる経験から始めてみます。

そこから少しずつ「春」「夏」「秋」「冬」という名前と結びつけ、分けたり比べたりしながら理解を広げていきます。

目次

幼児にとって「季節」は少し分かりにくいもの

「春・夏・秋・冬」は目に見えるものではない

「りんご」なら、実物や写真を見ながら「これがりんごだよ」と伝えられます。

ところが、「秋」そのものを指さして「これが秋だよ」と見せることはできません。

どんぐりを拾ったこと。葉っぱの色が変わったこと。少し涼しくなったこと。半袖ではなく長袖を着るようになったこと。

そうしたいくつもの出来事や経験が少しずつ結びついて、「秋」という季節のイメージにつながっていきます。

春夏秋冬の名前だけを急いで覚えるより、まずは季節につながる具体的な経験を増やしてみましょう。

幼児に季節を教えるなら、まず生活の中で感じてみる

季節を知るきっかけは、特別な教材の中だけにあるわけではありません。

外を歩くとき、買い物をするとき、食事をするときなど、普段の生活の中にも季節に気づくきっかけはたくさんあります。

外で季節の変化を見つける

散歩や公園では、花、葉っぱ、虫、空の様子、気温、服装などに目を向けてみます。

春には花が咲き、夏にはセミの声が聞こえる。秋にはどんぐりや色づいた葉を見つけ、冬には吐く息が白くなることもあります。

ただし、「今日は秋の勉強をしよう」と構えなくてもかまいません。

「前に来たときと何か変わったかな?」

「葉っぱの色が変わってきたね」

「今日は上着を着てきたね」

そんな会話から、子ども自身が変化に気づくことが、季節を知る入り口になります。

食べ物から季節に気づく

スーパーや食卓も、季節に触れやすい場所です。

いちご、すいか、さつまいも、みかんなどを見かけたときに、「最近よく見るね」「この前も食べたね」と話してみるのも一つの方法です。

現在は1年を通して購入できる食べ物も多いため、「これはこの季節にしか食べられない」と覚える必要はありません。

旬や季節との関わりに、日々の生活の中で少しずつ気づいていけるとよいでしょう。

行事から1年の流れを感じる

ひなまつり、こどもの日、七夕、お月見、クリスマス、お正月、節分など、毎年繰り返される行事も季節を知るきっかけになります。

飾りを見たり、行事にちなんだ食べ物を食べたり、家族で準備をしたりする経験が、「この時期にはこんなことをする」という記憶につながります。

たとえば、こどもの日にこいのぼりを作ってみるのも、行事を身近に感じる一つの体験です。冬には、クリスマスのオーナメントを一緒に作ることもできます。

最初から行事をすべて春夏秋冬に分類する必要はありません。まずは毎年の出来事として親しみ、少しずつ季節や1年の流れと結びつけていきます。

体験したことを「春夏秋冬」と結びつける

季節につながる経験が増えてきたら、それを少しずつ「春・夏・秋・冬」という言葉と結びつけていきます。

まずは「これは何?」から

たとえば、どんぐりの写真や実物を見せるとします。

いきなり、

「どんぐりは何の季節?」

と聞くのではなく、まずは子どもが分かるところから始めてみます。

「これは何?」

「どこで見たことがある?」

「拾ったときは暑かった?涼しかった?」

「公園で拾ったね」「少し涼しくなっていたね」と経験を思い出してから、「秋だったね」と季節の名前につなげます。

分からないときにすぐ答えを教えるのではなく、分かるところまで少し戻ってみると、自分で気づけることがあります。

同じ季節のものを集めてみる

季節との結びつきが少し分かってきたら、写真や絵、カードなどを使って仲間分けをしてみます。

たとえば、どんぐり、落ち葉、栗などを並べて、

「一緒の仲間だと思うものを集めてみよう」

と聞いてみます。

最初から大人がすべて分類して見せるのではなく、子ども自身に動かしてもらうのがポイントです。

並べてみることで、「これはこっちかな」「これは違うかな」と見比べながら考えることができます。

正解したかどうかだけでなく、自分で見て、動かして、比べて考える経験も大切にしたいところです。

「分かったかな?」は少し違う方向から確かめる

「どんぐりは何の季節?」に答えられたからといって、季節について十分に理解できているとは限りません。

同じ組み合わせを覚えていて、答えられていることもあるからです。

そこで、少し問い方を変えてみます。

たとえば、

  • 春のものを集めてみる
  • この中で仲間が違うものを探す
  • 秋にはどんなものを見たか思い出す
  • どんぐりと同じ季節のものを探す

などです。

「ものを見て季節を答える」だけでなく、反対に「季節を聞いて、その季節のものを考える」ことも試してみます。

もの → 季節だけでなく、季節 → ものと逆の方向からも考えられるか。さらに、仲間分けや比較もできるか。

少し方向を変えて確かめることで、どこまで理解できているのかが見えやすくなります。

うまく分けられないときは、一段戻ってみる

春・夏・秋・冬の4つに分けることが難しそうなら、同じ問題を何度も繰り返す前に、課題を小さな段階に分けてみます。

たとえば、最初は2つの季節だけ。

それが分かるようになったら3つに増やし、最後に4つの季節に広げます。

扱うものを減らす方法もあります。

最初は花や植物だけにして、分かってきたら食べ物、生き物などを加えていきます。

たくさんのカードを一度に4つの季節に分けるのが難しくても、少ない枚数からなら考えやすいかもしれません。

大切なのは、簡単にして答えを出させることではありません。

今の子どもが自分で考えられる大きさまで、課題を分けることです。

できるようになったら、また少しずつ情報を増やしていきます。

絵本・写真・カード・工作はどう使う?

季節を伝える方法はいろいろありますが、それぞれ少しずつ役割が違います。

絵本や図鑑は、自分がまだ経験していない季節の自然や暮らしまで、世界を広げるのに役立ちます。

写真は、自分が実際に経験したことを思い出すときに使えます。去年のお花見や夏のお出かけ、どんぐりを拾った公園など、家族の写真も季節を考える材料になります。

カードは、並べる、分ける、比べるといった活動に向いています。「これは何?」から始め、季節分けや仲間探しへと、理解に合わせて使い方を変えられます。

工作では、季節の行事や風物詩に、実際に手を動かしながら触れることができます。

見るだけで終わらず、自分で切ったり、貼ったり、作ったりした経験が、その季節を思い出すきっかけになることもあります。

ココエデュでは、春・夏・秋・冬それぞれの季節の工作を紹介しています

季節を教えるために、どれか一つの方法に決める必要はありません。

外で見たものを写真で思い出す。カードで分けてみる。季節の工作をしてみる。

実際の経験といろいろな方法を行き来しながら、少しずつ理解を広げていきます。

カードを使うなら「答えを覚える道具」だけにしない

季節カードというと、「これは春」「これは秋」と答えを覚えるために使うイメージがあるかもしれません。

もちろん、ものの名前と季節を結びつけるためにも使えます。

でも、それだけではありません。

最初は絵を見て名前を知る。

次は同じ季節のものを集める。

慣れてきたら、仲間が違うものを探したり、季節を聞いて当てはまるものを選んだりする。

見る → 名前を知る → 分ける → 比べる → 自分で考える

と、子どもの理解に合わせて使い方を変えていくことができます。

ココエデュでも、こうした「見る・分ける・比べる・自分で考える」という使い方ができる季節カードを制作しています。

カードそのものを覚えることをゴールにするのではなく、生活の中で見たり体験したりしたものと結びつけながら、名前当て、季節分け、仲間分けなどへ少しずつ広げて使えます。

季節が分かってきたら、行事や1年の流れへ

春・夏・秋・冬と、それぞれの季節のものが少しずつ結びついてきたら、次は行事にも目を向けてみます。

「七夕はいつ頃だったかな?」

「お月見をしたころ、外はどんな様子だった?」

というように、行事と季節をつなげていくことで、1年の流れも少しずつ見えやすくなります。

季節と行事を家庭でどのように結びつけるかについては、別の記事で詳しくご紹介します。

また、小学校受験で扱われる季節の問題については、一般的な季節の学びとは目的が異なるため、別の記事として分けて解説します。

まとめ

幼児に季節を教えるときは、春・夏・秋・冬の名前を暗記するところから始めなくてもかまいません。

生活の中で実際に季節に触れながら、

体験する → 気づく → 名前と結びつける → 分ける → 比べる → 自分で考える

という流れで、少しずつ理解につなげていきます。

うまく分けられないときは、同じことを何度も覚え直すのではなく、一度に扱う季節やものの数を減らしてみます。

子どもが自分で考えられるところまで一度戻り、分かってきたら、また少し広げていく。

そんな積み重ねが、春夏秋冬の理解につながっていきます。

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